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羊羹のこと。



羊羹が無くなったのです。
十本ほどもらったものの最後の一本が。
パソコンの前に置いておいたわけです、キーボードとの間に何気なく。
最後の一本だから。
無くなるだけなら別にどうと言うこともない、まぁ羊羹一本のことだから。
ミステリーなのは直前に最後のこの一本をいただくべく手に取ったのに、ある瞬間に消えてしまったということ。
茶の間サイズの羊羹ではないのです、一口と言いますか、正確には二口くらいのサイズ、書道で使った墨くらいの大きさのあれです。
慌ててはいたのです、そのとき。
釣から帰ってきた20時15分ごろ、いつもより二時間ほど遅い帰港だった。
季節もだいぶ夏に近づき石垣島は、日の入り時間が午後七時を過ぎるようになっている。
魚は朝間詰め夕間詰めがねらい時とされているから、日の入りが遅くなると帰港も遅くなってしまう。
“なつや”に帰ると店内が満席状態だったのです。
ありがたいことではあるのですが、連休前のこの時期に“こういう事態”を予想していなかったのでスタッフは二名、大わらわです。
すぐに着替えてサポートに入らなくてはいけないのだけれど、釣後は何かと片付けるものも多い、全身は釣のエサやらコマセの匂いやらでシャワーにも行かねばならない。
ここでアドレナリンがどっと出てサポートしてくれればよかったのだけれど、かなりな空腹で脳が燃えるものを要求してくるのですね。
しかし悠長にメシなど食っている間ではない、こんな“危機”をどう処理するかが“大人度”を示す時。
とっさに脳が導き出したアイデアはシャワーを浴びながら、あの最後の一本で糖分を補おう。
パソコンの前の最後の一本を持ちタオルも用意したとき、もう一つ高度な“危機を脱する大人度”が思い浮かんだ。
ついでに歯磨きも済ませば一石三鳥だ!
歯ブラシを取りにゆきタオルを洗面所に置いたとき、羊羹が無くなっていた。
そんなはずはないのにどこを探しても見つからない。
仕事は待ってはくれない、羊羹一本に関わっている場合ではない。
こんなことでイライラしてはいけないと思うのだけれど、脳は “羊羹モード”から離れなくなっている。
気持ちが何かに引っかかっていい仕事ができるわけもない、“なつや”の前には幸いコンビニがある。
コンビニにのレジ前にはたいていあのサイズの羊羹が置いてある。
この際メーカーをどうこう言う場合ではない、大事なことは自分の脳をいかに納得させるかの“危機を脱する大人度”だ。
エディーカードを一枚もってコンビニに走った、身支度は万全店のTシャツに前掛けも完璧である、エネルギーさえチャージ出来ればすぐに仕事に合流できる。
レジ前に着くと中村屋の羊羹の箱だけで中身が無い、売り切れなのか。
大のおじさんが羊羹の在庫のことまでは聞けない、しかも店の制服、でも脳は糖分をほしがっている。
もう何でもいい、ようは糖分を入れてあげればいいのである。
急ぎチョコレートの棚に行き“明治のミルクチョコレート”を手にしたとき、ふっとグリコの“パッキとストロベリー”が目に入った。
普段であれば絶対に“パッキとストロベリー”などに目がいったりしない。
明らかに脳がパニックを起こしている。
気がつくと十種類あまりのチョコレートをエディーで買っていた。
しかも袋はいりませんとエコモードで、前掛けにチョコの箱を包んでコンビニを出た。
ガラスのドアーが開いたところで氷を買いにきたバイトさんとぶつかった、この時間に氷を補充するほど店は忙しいということか。  。。。。
“どうしたんですか遠藤さん、そんなに沢山、大人買いですね”
目は冷ややかだ、そう見えた。
いやはや大人げないだけです、すみません。
あれから二晩未だに最後の一本は出てこない。

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