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野底マーペ。



今年最後の三連休、石垣島にはたくさんの観光客が訪れた。
おかげさまで“なつや”もゲストハウス“夏屋”も、そしてレンタルバイクも、さらに“なつや”ファームも加わり“やった気になる”三日間になった。
愛艇“千夏”だけは強風と高波にはばまれ動くことは無かった。
“なつや”ファームも鶏が二十二羽になり、卵も毎日コンスタントに十個ほど産まれている。
昨夜アルバイトのあっこちゃんは賄いで、生卵を二個もごはんにかけ一度にたいらげた。
収穫が目に見えるのは楽しいが、まだぼくは卵にありつけていない。
“なつや”で使う卵を自家卵だけで賄うためには、後数日分のストックが必要だからだ。
事件はそんなのんびりした連休初日の23日の夕方におきた。
ゲストハウス“夏屋”の宿泊客Fさんは、秋田から来た一人旅の女性。
レンタルバイクで北部にある“野底マーペ”にトレッキングに出かけた。
彼女の趣味はトレッキングで、石垣島に来る前はカナダで一年半暮らした経験の持ち主。
南国石垣島の標高282メートルほどの山をトレッキングする彼女に、特に注意も必要と考えなかった。
最初に彼女からぼくの携帯に着信があったのがたぶん午後も四時近くだった。
電話は鳴り彼女の番号が表示されるも、電波が悪いのか声が伝わってこない。
そんなことが数回続いた後やっと声が聞こえた、「道に迷い返れない」。
その後何度電話をしても通じなくなった。
ぼくは野底マーペに登ったことが無い、虫が苦手なのだ。
知らなくともまずは近くまでは行かなくてはならない、後二時間ほどで日没になる。
野底マーペまでは市内から約三十キロ、車での移動中にマーペに詳しいエコツアーのインストラクターに電話で道を聞く。
インストラクターの説明は詳しすぎ、土地勘の無いぼくにはかえって分かりづらい。
こんなときはやはり地元を良く知っている巡査に頼むのが一番と思い、110番に電話をかけると、電話は那覇のセンターにつながりさらに要領を得ない。
「イシガキのことはイシガキに電話してくださいねぇ、番号は・・・」
八重山署も大変だった。
「あなたの名前は、ハァー生年月日は、いま何歳」
「いやぼくのことではなくて、今女性がマーペデですね・・」
「いやぁそこ聞かないと、本官もねぇ、住所は、あなたの」
「バイクの番号分かる、色とか特長とか、バイクは誰の所有」
「そんなことより、女性がですね、一人で、日没が、ね」
という会話が15分も続いている間にマーペの登山口に着いてしまった。
とりあえず名前を呼びながら二十分ほど山を登っては見たものの、その間も警察からの要領をえない電話がかかるのでいったん下山。
茂みの間から見える空はうっすらと紅くなってきている、そこに現れたのが野底の林道からはみ出さんばかりの大型の消防車。
レスキュー隊は偶然にも知り合いの川満隊員、見上げるほど高い運転席から颯爽と降りるとザイルと懐中電灯、無線機を下げてきぱきと山に入っていった。
その後海上保安から電話が入り、さっきの八重山署と同じ会話が五分ほどあり、これからヘリを飛ばすという。
川満隊員が山に入ってから十分ほどして、八重山署の警官が十名ほど駆けつける。
「あー消防が入っている、そうね。じゃー本官達はちょっと様子を見ようか」
「だけどよエンドーさん、石垣で海の遭難はあるけど、山の遭難はめっずらしいさー」
満月が耿耿と見えはじめたころ、川満隊員から発見の一方が入った。
十分ほどで川満隊員とFさんが元気に下山してきた。
いやーよかった、よかった怪我無かった、と事情聴取する警官に囲まれるFさん。
「ありがとうございました。発見してもらえなかったら山で一泊寝る覚悟は出来ていました、ただ」
ただ?
「クマが出たらどうしようかとばかり考えていました・・秋田もカナダにもクマがいて・・」
「・・・・八重山にクマはいなからさぁー、まぁ石垣でいい思いでができてよかったさー」と能天気なのは警察官。
暮れてゆく林道でテキパキと片付けをする、消防隊員の川満さんが頼もしく見えました。


中央のとんがった山がマーペ。

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