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”八百屋”という焼き鳥屋。



美崎町で焼き鳥屋を商っている御夫婦です、屋号を“八百屋”といいます。
なぜ焼き鳥屋が“八百屋”なのか気になりますから聞きました、もう四年も前のことですが。
石垣島の人の答えに虚飾はありません。
「いまの前が八百屋だったさぁ」
なるほど現在の焼き鳥屋をする前に御夫婦で八百屋をやっていた、しかしなにか事情が出来て八百屋から焼き鳥屋に転向した。
たとえば島に大きなマーケットが出来て八百屋では立ち行かなくなったとか、子供の手が離れて夜も働けるようになったとか。
一口では語れない、けれど御夫婦の歴史が八百屋とともに過ぎて来た、ゆえに職種は変わったけれど愛着ある“八百屋”の名は残そうと、そういうことですか。
ぼくも当時はまだ石垣市民ではなく、一旅行者としてオバーの作るかなり濃いめの“うっちん割”を飲みながら聞いたものです。
あれから数年現在は同じ町内で居酒屋を営みご近所さんになったのですが、そういえばあのときにたしかな“八百屋”の答えを聞きそびれていた。
まー当然といえば当然なことで、観光客が旅先の飲屋街で“八百屋”と看板を出している焼き鳥屋に入り、何杯かグラスを重ねれば誰でも必ずする質問だ。
いくら人なつこい石垣島のオバーでも、一人一人に人生を語るほど暇ではない。
どんな繁華街にも表通りと裏通りがあるものだけれど、ぼくのような“昭和の酒飲み”には裏通りが気になる。
“八百屋”も中心街の730交差点からすぐ近いところにあるのだけれど、立地がバスターミナルの裏に当たるため、おあつらえ向きな雰囲気を醸し出している。
不慣れな土地でバスを終点で降り、明るい表通りからふと裏に目をやると、エンジンを止めたバスの間からフェンス越に赤い提灯が見える。
そんなそそるスチエーションに“八百屋”はあるのです。
さそわれるまま“昭和の酒飲み”は匂いをたどって、バスターミナルを一周することになる。
時が過ぎいまでは同じ焼き鳥屋ではありますが、やっと名前も覚えてもらえるお付き合いになりました、“なつやのマスター”ってね。
「ところでオバー、そんなに八百屋という名前が大事だったわけ」
「あーなんね。八百屋って名前なら看板もそのまま使えるでしょ。他の名前に変えたらまた一から看板、はぁ作るのたいへんさねー」
大きなビールジョッキになみなみ注がれる、かなり濃いめな泡盛のウッチン割りは500円、ききます。


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